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INTERVIEWvol.2

藤本 淳吾

セカンドキャリアの選択肢、
コーチ業との向き合い方と目標

RH

Interview by 林 遼平

2023.04.28

2023年より指導者としてのキャリアをスタートさせた藤本氏。子どもたちへの指導から感じることや、今後のキャリアビジョンとは。

ーー自分の中でセカンドキャリアを意識し始めたタイミングやきっかけはありましたか?

30歳を超えて、自分のキャリアとしてプレーできるのは、あと数年、片手ぐらいかなという中で、ちょうど横浜F・マリノスにいたときに、午前中の練習が終わった後にC級のライセンスを取る講習をチームが実施してくれました。もともと指導者になりたいという漠然とした目標はあったので、そのC級を受けることで少し現実味が出て、より意識するようになりました。できないことに挑戦するのは今までもしてきましたけど、それよりもサッカーが好きだからサッカーの道に進みたい、選択肢があるならばそうしたいとずっと思っていました。だから、それ以外は考えていなかったですね。

ーーサッカーに関わるという意味では指導者ではない立場もあります。その中で指導者を選択した理由を教えてください。

やはり現場に立ちたいという思いがあって、自分が経験してきたことやキックの技術など、そういうことを「あのときはこうで、こうだったんだよ。もっとこうした方がいいよ」と伝えられるのはコーチや監督だと思い、指導者を考えました。

ーー今はどのような1日を送っているのでしょうか?

午前中は空いていますが、午後3時前にはコーチたちとその日の指導内容についてのミーティングをして、そこから学校が終わった子供たちがトレーニング場に1人で来たり、親御さんたちに送迎してもらってきたりして、一緒にボールを蹴りながら練習していく形です。

ーースクールでどんな仕事をしているか教えてください。

まだメインコーチとして教えているわけではなくて、メインで教える方のサポートです。人数が足りなかったら一緒にゲームに入ったり、コーチ1人に対して生徒が20人弱だと全員は見切れないので、周りで声かけをするような役をしています。対象が幼稚園と小学生なので、自分の話が長過ぎても聞かないと思うので、小学生・幼稚園生たちに伝わる言葉のチョイスは意識していて、伝える力というかコミュニケーションをどう取るかは常に考えています。話を簡潔にかつストーリー性ではないですけど、ちゃんと繋がってものが言えるようにならないといけないなと思います。

ーーコーチ業を始めて改めて感じていることはありますか?

楽しいですけど、難しいところもあります。僕はまだメインで教えることは少ないですけど、何回かやったときに自分がどういうスタンスで伝えればいいのか、そういったところは難しさを感じました。本当に勉強の日々です。一番最初に教えた時は本当に凹みました(笑)。練習が始まる前にふざけていたわけではないですけど、そういう雰囲気があって、子供たちもこの人はふざけても大丈夫なんだと入ってしまった。その影響もあって話を聞いてくれなかったり、自分の話してることが伝わっているのかわからなかったり。どういうふうに言えば伝わるのかが難しくて、リアクションがなかったり…。そうさせてしまうのはこっちのやり方が原因なので。

ーー子供は一人ひとり性格が違って反応も違う難しさがありそうです。

全部に対応することは簡単ではないと思いますけど、全員をこっちに向かせることは可能だと思います。コーチ側がこれを教えたいというのはもちろんあると思いますが、子供たちが何を学びたいのか、何しにここに来てるのか、スクールなので難しさはありますけど、「できるだけそこに寄り添えるようにしていきたい」と考えたらもうキリがなくなってしまって、毎日どうしようみたいな感じです。

ーー一方で、どんなところに楽しみを見出していますか?

まだ少ししか経っていないので全ては分かりませんが、スクールで言えば、最後に必ずやるゲームの時に子供たちがすごく楽しそうにプレーするんです。それを見ていていいなと思います。スクールはサッカーの技術はもちろんですけど、まずサッカーを好きになってもらって、僕だったらマリノスでやっているのでマリノスを好きになってもらう。そこが入りというか、サッカーが嫌いになってしまったら意味がありません。子供たちが本当に楽しくやっていて、そのサポートができればいいなと思います。

ーー今後のキャリアビジョンみたいなものはどんなふうに描いていますか。

ゆくゆくはS級ライセンスを必ず取りに行きたいと思っています。今はB級ライセンスの取得を目指しています。まだ仕組みを掴めていないところもあって、B級ライセンス取得後にどれだけ期間を空けなければいけないのかがわかっていませんが、できるだけ早くA級ライセンスを取って、先までいけたらいいなと思っています。

ーー今はコーチをしていますが、やはりJリーグの監督というのは目標としてありますか?

そこは考えています。ただ、監督になるのはタイミングが重要です。いろいろなことが重なってできるものだと思っています。チーム数が限られている中で、人もいっぱいいるので。難しいかもしれないですけど、準備だけはちゃんとしておきたいと思います。