U-20ワールドカップで味わった悔しさをバネに新シーズンへ。福田選手が描く未来予想図。
――ドイツに渡ってからの日々は瞬く間に過ぎたと思います。その中で5月中旬からはU-20日本代表の一員としてアルゼンチンで開催されたワールドカップに出場しました。昨年は代表活動にほとんど参加していなかったので、メンバー入りを果たしたときは驚いたのでは?
選出の知らせを聞いた時は本当にびっくりしましたが、感謝の気持ちでいっぱいでした。(最終予選を兼ねた)U20アジアカップに参加していない僕がいきなりメンバーに入っても、みんなが受け入れてくれるチームでした。
――メンバーに入りましたが、チームは1勝2敗の3位でグループステージ敗退となりました。改めて、国を背負って戦う責任を感じたのではないでしょうか?
日本のために戦う覚悟がもっと必要だなと痛感させられました。10分間しか出場時間がなくてももっと頑張れたはずで、言葉に言い表せない責任を感じたんです。短い時間でも結果を残せなかったのは今までの取り組みが甘かったから。もっと頑張らないといけない。ただ、179cmの身長で競り合いに勝てたのは収穫でした。自分はヘディングで勝負できると思っていた一方で、世界基準で考えれば得意だとは思っていなかったんです。そこで強みを発揮できたのは良かった。とはいえ、課題だらけ。シュートを打ち切らないといけない場面もあったし、判断スピードももっと上げないといけない。
――特にイスラエル戦は悔しい想いを味わいました。後半の半ばに1人多い状態で戦いながらも75分に追い付かれ、アディショナルタイムに逆転されて1-2の敗戦から学ぶことも多かったのではないでしょうか?
国を背負って戦うことは改めてすごいことだと感じました。本当に一致団結して戦っていたら、諦めなければ最後までどうなるか分からない。本当に1人少なくなってから相手のギアが上がったんです。数的不利になってもその選手の分までやってやるぞという気迫がありましたから。スイッチが入った雰囲気はまさに国を背負って戦っている感じで、覚悟が違うと思い知らされました。
――悔しい想いを味わいましたが、ワールドカップに出場したからこそ得られた経験です。アルゼンチンでの体験は今後の自分にどう生きてくると感じていますか?
この悔しさを味わえたのは、今後のサッカー人生を考えたら自分にとって大きなモノでした。本当にこの悔しさを良い経験に変えて、アルゼンチンでグループステージ敗退を味わったからこそ、ここまで自分が活躍できたと言えるように頑張りたいですね。
――5月下旬に日本に戻りましたが、間も無く新シーズンが始まります。福田選手が描いている今季のビジョンを教えてください。
今季は早くトップチームでプレーすることを目標にしつつ、そのためにU-23チームで結果を残して主力に定着したいです。
――昨季もU-23チームで少しだけプレーしました。U-19チームとの違いを感じたと思いますが、活躍するためにはどういうところを意識したいと考えていますか?
昨季はU-23チームで練習試合に出場させてもらい、違いを感じました。とにかく足が速いんです。そして、ずる賢さもある。審判から見えないところで仕掛けてくるので、そういうプレーに適応しながらうまく良さを出していきたい。そのためにもフィジカル面をさらに鍛えたいですね。あとは動き出しの質を上げる必要があると感じています。そのためにももっとボールがくるように呼び込んだり、周りとコミュニケーションをとって、より良い状態を作れるようにしていきたいです。ただ、それでもうまくいかないことはあると思います。その時は(板倉)滉くんなどに話を聞いて、カテゴリーが上がったときにどう適応してきたのかを相談したい。自分で解決できない時は周りに頼りながら、自分なりの答えを見つけていきたいです。
――プロサッカー選手としてのキャリアはまだ始まったばかりです。どういうキャリアを歩んでいきたいと考えていますか?
身近な目標はブンデスリーガ1部の試合に出て、(板倉)滉くんと一緒にプレーすることも目指したい。U-20日本代表で悔しい想いをしているので、見返せるようにチームで結果を残したい。そうすれば、また代表にも呼ばれるはずなので、そこで本当の自分を見せられたらいいなと思います。そのためにも、できれば今季中にトップチームで2、3試合は出場したい。U-23チームで毎試合ゴールを重ねれば、監督も絶対に見てくれる。ボルシア・メンヘングラードバッハは結果を残している選手を見てくれるクラブですし、調子が良い選手を上に引き上げてくれる土壌があるので。
――5年後、10年後で考えた時にそれぞれどんな姿になっていたいですか?
5年後は24歳になっていると思いますが、その時にはA代表で活躍していたい。子供の頃から憧れていた岡崎慎司選手みたいなチームを勝たせるストライカーになっていれれば最高ですね。10年後は29歳なので、選手として一番脂が乗っているはず。絶対に一番楽しい時期だと思うので、ワールドカップに出場して、誰かのために戦っていたいし、いろんな人に応援される選手になっていたいです。そして、自分がワールドカップでゴールを決めて、日本を勝たせられる選手になっていれば、言うことはなしですね。